HR/HM温故知故
かつて一世を風靡したHR/HMについて、私の個人的な思いいれ、独自な見方、ニッチな情報、そして映像を提示していきます
メタリカの『マスターオブパペッツ』を振り返る!
master of puppets 

 来日公演を来月に控えたMATALLICAだが、その過去の名作を振り返ってみようと思う。

 今回は、86年発表のMASTER OF PUPPETSである。

今から4年前、私はMETALLICAがヘッドライナーをつとめる日のSUMMER SONICの会場である千葉マリンスタジアムにいた。

summersonic.jpg  その会場の外ではバンドの86年発表のMASTER OF PUPPETSのジャケットの絵が書いてあるTシャツがたくさんあった。

 当然「何故、今頃このジャケットのTシャツ売ってるの?」という疑問が湧くが、彼らのステージを観て、それは氷解することになる。このアルバム完全再現がライブ中に告知されたのである。

 このアルバムを完全再現されたわけについて、ヴォーカリストであるジェイムズヘットフィールドはこう語る、

TRIVIUMBULLET FOR MY VALENTINE達による、あのアルバムにインスパイアされた。他のバンドたちによる自分たちの曲を聴いているうちに俺たちの尻に火がついた。それに、ベストオブのセットリストではなく、なにか違うことをやろうと、思ったんだ」

ということである。

metallica 88

 このアルバムが発表された86年、このアルバムは全米チャート29位にまで上昇し、スラッシュメタルバンドとしては、異例のゴールドディスク(50万枚)を獲得するのである。

 その後発表された、 『…AND JUSTICE FOR ALLの急激な売れ行きから便乗してこのアルバムは売れ続け、1990年に私が見聞した雑誌で見たところ、このアルバムは200万枚の売り上げを達成した。

 その後の、METALLICA91年ブラックアルバム、そしてROAD』『RELOAD』『ST.ANGERと連続して全米初登場ナンバーワンを獲得して、それに伴いバンドの名も米国民に市民権を獲得するまでに至り、最終的にこのアルバムは今、600万枚の売り上げを達成した!

 これを成り上がりといわずして何と言おうか?

 確かに、WHITESNAKEWHITESNAKE (下図)が全米で800万枚を売り上げ、その前作SLIDE IT INが50万枚の売り上げだったものを、便乗して100万枚になったいう事実はあるが、いかんせん規模が違う。
白蛇の紋章

 それまでうれてなかったバンドが、大ヒットアルバムが出て、それ以前のアルバムが便乗して売れたという現象はあるが、所詮50万枚か100万枚がいいところである。





METALLICAのようにいきなり400万枚も上乗せして売れるなんていうパターンはほとんどない!

 これが発表された86年には、日本の『BURRN!』誌の人気投票で、

 MATALLICAグループ部門でチャンピオンになり、このアルバムもアルバム部門でチャンピオン曲の部門でも“Bettery”がチャンピオンになるのである!

 こういう面で、日本のリスナーが、売りあげや名声にとらわれずに、良いものは良いと判断できる卓越した耳を持っているということに嬉しさがこみあげてくる。

 この年は、BON JOVI全世界で1300万枚のヒットを出したあのSLIPPERY WHEN WET (下図)を出した同じ年でもある。

 そのBON JOVIをおさえてのチャンピオンであるからして、非常に意義深いアルバムではないだろうか?
ワイルドインザ

 このアルバムは佳曲に溢れている!

 初めて聴いた時の印象がこうである。

 始めてこのバンドのアルバムを買ったのは、 『…AND JUSTICE FOR ALLだったが、このアルバムはへヴィメタルの曲としては、音が薄いし曲のテンポが縦横無尽に変化し、先が読めない、プログレッシヴというのだろうが、良いアルバムではあるが、何回も聴きたいとは思わなかった。

 しかも、アルバムがレコードでは2枚組だし、トータルで70分以上もあるし。

 しかし、このMASTER OF PUPPETSはまず、 

 音の重さからして重量感が凄い!

 スピードも速い!

 疾走感もある!サビも憶えやすい!

 ドラマティックで興奮する!

 曲の収録順も完璧!

 
という良いことだらけのアルバムで、METALLICAのことを知らない人には真っ先に教えたくなるアルバムである。

 
特にしょっぱなの”Battery”が凄い!

「Rock Am Ring2006」“Battery”


 この86年当時、スラッシュやへヴィメタルなどというものは、市民権を得ていなくて、このアルバムを出した当時は、METALLICAはビデオクリップすら作れなかった。

 彼らが初めてクリップを作るのは、次のアルバムの“One”からである。

 91年METALLICA』(ブラックアルバム)によってようやく大成功を収め、現在の地位を築くきっかけになるのだが、それまでの彼らの経緯は決して楽のものではなかった。

 戦争、核兵器、政府の大衆操作、薬物こういったものを主題にした曲というものは今でこそ、たくさん語るバンドがたくさんいて「市民権」を得てはいるが、当時はほとんどいなかった。

 
BLACK SABBATHオジーや、ディオが歌えばまだしも、まだ22歳か23歳くらいだった兄ちゃんたちであったMETALLICAのメンバーが歌っても、市民権を得るのは難しかった。

 しかし、彼らは妥協はしなかった。

 自らがやってきたことを信念をもって語り続けたことで、世間に自らの思いを訴えたのである!

その姿勢を妥協なく崩すことなくデビューから約10年貫いてきた結果が、91年METALLICA (下図)によって結実することになる。

ブラックアルバム

 当時の彼らよりも私の方が10歳以上も年齢が上だが、妥協なくその道に徹することの重要さを教えられてなんだか情けない気になってしまうのである。


マスターオブパペッツ


 私が初めて彼らのコンサートを見たのは91年の大晦日である。その時は彼らは、THUNDER、TESLA、EUROPEといったハードロックバンドを前座にして、 『FINAL COUNTDOWNイヴェントのトリを務めた。

サンダー tasla.jpg europe.jpg

 そして2006年サマーソニックにて見た時は

 AVENNGED SEVENFOLD,
ZEBRAHEAD,
STONE SOUR,
DEFTONES

 
といった へヴィメタルは勿論、ミクスチャー、オルタナといった様々なジャンルのバンドを擁したフェスのトリを務めるまでになったのは驚嘆した、というのが正直なところである。

 それに当時のMETALLICAのファンの中心の世代は30代が中心であった。

 しかし、会場には20代の数え切れないほどにたくさんいて、開演前には始まるのはまだかと興奮していた。

 「様々なジャンルを超えて、ファンの世代を超えて、メタルのフェスのトリを務めれるのは、この広い地球で、このMETALLICAとオジーオズボーン擁するBLACK SABBATHくらいのものではないだろうか?」

 などと評論家みたいなことを思いながら、このコンサートを見ていたのは私くらいのものだろうか(苦笑)

あべんジド シマウマ頭 stone sour deftones.jpg

 とにかくHR/HM史上大変意義あるとともに、スピードあり、へヴィさ満点、佳曲揃いのこのMASTER OF PUPPETSの完全再現をライヴでみれて私は非常に幸福であった!

 この試みは、毎年ドイツのニュルンベルグで開催されるROCK AM RINGで彼らがトリを務めた同じ年にもおこなわれた。

 その模様が以下である。

jmuzu.jpg

METALLICA set list Nürburgring,Germany 3rd Jun,2006

Ecstasy Of Gold
Creeping Death
Fuel
Wherever I May Roam
For Whom The Bell Tolls
Fade To Black
Battery
Master Of Puppets
The Things That Should Not Be
Welcome Home
Disposable Heroes
Leper Messiah
Orion
Damage,Inc
Sad But True
Nothig Else Matters
One
Enter Sandman
Last Caress
Seek And Destroy

puppets.jpg

ディスポ―ザブルヒーロー



Disposable Heroes
の対訳である

死体が戦場を埋めるのが見える
これが飢えた英雄たちの最期
兵士の役をやる者は誰もいない
偽る者も誰もいない
殺戮の野を闇雲に駆け抜けて
奴らを皆殺しにするようにしつけられた
あるべき犠牲者
倒れる時まで 俺は奉仕者

粘土で作られた少年兵
今では抜け殻
21歳 一人息子
だが彼はよく仕えてくれた
救いのためはなく 殺人のために教育された
我々の言うとおりにしろ
ここでおしまい 死を迎えよ
彼は今のお前のもの さあ連れていけ

戦線に戻れ
私が命じた時に その通りに行動せよ
戦線に戻れ
私が死ねと命じた時には その通りにせよ
戦線に戻れ
お前は臆病者
お前は従僕
お前は盲目

 Disposable Heroesとは“使い捨てヒーロー“と訳す!

 軍隊によって殺人用機械にされ、死に、朽ち、使い捨てにされ、忘れられていく若い兵士たちについて歌った曲である。

 METALLICAは、こういったモノをモチーフにした小説や映画、テレビなどが多数あるにもかかわらず、人々が戦争や武力闘争についての無意味さ、悲劇などについて学ぼうとせず、無知や偏見によって愛国心にかられて同じような間違いを犯すことに警告を発しているのだ!

jei.jpg

 ここで真っ先に思い浮かぶのがアメリカの世界政治である。

 89年に、ベルリンの壁が崩壊し、91年に冷戦が終結したとき、世界中の人々はこの動きを大いに歓迎した。

 しかし、アメリカにしてみれば、大きな敵を失うことを意味した。一種の空白状態が生まれたわけだ。

 外敵中毒にかかっているアメリカにしてみれば、この空白状態は望ましいことではない。

 その空白を埋めるために、つくり出されたのが「ならず者国家」というファンタジーである。

 イランやイラク、北朝鮮を「ならず者国家」と決めつけアメリカ市民の生活を脅かしかねない存在として、極めて高水準の軍事支出を正当化したのである。

 しかし、ここに問題がある。実際に名指しされた国々は、凶暴で、予測のつかない行動をするのだろうか。答えはNOである。

 リストの載っている国で、世界に脅威となる国など一つもないのである。

 しかも、アフガン戦争の名目で「フセインが9・11に加担している」という間違った印象を喧伝していたが、フセインが加担していた証拠はないのである。

 それなのに、アメリカはアフガンに攻撃を仕掛けた。

 世界の覇権国家なのにこのような愚行…いや、覇権国家だからこそ必ず陥る愚行と言ったら良いのだろうか。

 
こういった間違った政策について、アメリカの国民は大勢の人が気付き始め、キチンと自分の目と頭で判断するようになったのだろうか、またはなりつつあるのだろうか、日本に住んでいる私には判断のつきようがないが、こういった詞をモチーフにしたMETALLICAが今、絶大な支持を受けているのを見れば、その良い傾向は見てとれるのではないだろうか。

ダメージインク


 METALLICA

 人のいうことを鵜呑みにせず、自分の頭で考え、自分の頭で決断を下せ!

とリスナーにメッセージを発しているのだ。

 20年以上もたっているのにもかかわらず、そのメッセージが今も色褪せることなく、いや時間が経過すればするほど、その内容が強烈に迫ってくる、そんな内容をひめたアルバムである。

 しかし、その内容がいくら良くとも、

 曲が良く、歌も上手く、演奏も上手くなければリスナーの心にその内容を感動させることは出来ない!

 しかし、このMASTER OF PUPPETSは その3つを兼ね備えているから、心配は御無用である!安心して聴いていただきたい。

 このということをしたためて、このリポートを終わりにしたい!

●HMが誇る名盤は、以下!
  ↓
master of puppets
 

  メタル・マスター

  Master of Puppets






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