HR/HM温故知故
かつて一世を風靡したHR/HMについて、私の個人的な思いいれ、独自な見方、ニッチな情報、そして映像を提示していきます
自己愛人間トムキーファー

トム 
トムキーファー

 バンドというものを考えた場合、1人のカリスマ性によって維持されているバンドというものは、少ないが存在している。

 ジョーイテンペスト擁するEUROPE
 ヴィレヴァロ擁するHIM

 そして、トムキーファー擁するCINDERELLAである。

ジョーイ ヴィレヴァロ
ジョーイテンペスト ヴィレヴァロ
 
 これらのバンドは、こういった人たちがいなくなってしまえば、もう解散するしかないであろう。なぜなら、この人たちのカリスマ性によって各々のバンドが維持されているからである。

 EUROPE、HIM、CINDERELLAどのバンドにも共通している点は、シンガーのジョーイ、ヴィレ、トムが、

 バンドの中心人物であり、
 曲や歌詞のほとんどを一人で書き、
 グループショットやアルバムのショットでも一人か、あるいは真中に位置している

ということである。

 まさしくバンドの人気を、それらの人物が握っているのである。その人物が抜けたらそのバンドは一巻の終わりということである。

 カリスマ的人物…その特徴を挙げると、

 オーラが出ている ! 
 身長が高い
 顔が良い
 音楽センスが抜群!
 ステージアクションやしぐさが魅力的で思わず視線がいってしまう!

 こういったカリスマ的人物がバンドにいると、その人を中心にカメラを回して映し出したビデオを作ったり、アルバムジャケットをその人物しか載せなかったり、あるいはグループショットの真ん中にして写したりして、マーケティングをしていくというパターンはたまにある。

 カリスマ的な人物かどうかは、その人物が決めるのでなく、観ているプロデューサーが決める。そして、そのバンドのマーケティング法を決めるのである。

 CINDERELLAがデビューしたのは86年であるが、その際にバンドプロデューサーがこのバンドのマーケティング法を決めたのであろう。その際、バンドの中心人物兼ヴォーカリストであるトムキーファーを中心にカメラを回して撮ったビデオを放映して売っていこう、と決めたのだと思う。

 ●"Somebody Save Me"




 しかし、それだけであろうか?

 トムが自己愛人間であるから、バンドプロデューサーに自分を中心にしてマーケティングをかけるように言いつけたのだろうか。そうであるかどうかはわかりかねる。こういった内実は、実に非公式なのが多いのでこちらにはにわかにはわからないのである。

 デビュー当時のビデオクリップから、曲のギターソロは全部トムが弾いている。ジェフラバーというもう一人のギタリストがいるにもかかわらずにである。ライヴでは全部ではないが、トムが全演奏曲中実に8割を弾いている。

 こういったことばかりでなく、ピアノの前奏で始まるバラード曲でも専門のキーボーディストがいるにもかかわらず、わざわざトムに弾かせるシーンを設定するのである。
 
●"Don't Know What You Got"

 

トムに、ジェフがいるにもかかわらず、何故多くのソロを弾くのか、という質問をしたことがあり、その際のトムの応えは

 「リードギターを誰にすべきかはあまり重要ではないんだ。曲で重要なのは、曲をデコレーションケーキに例えると、大事なのは土台のスポンジの部分であって上のクリームではないんだ。それと一緒さ

 というような答えがかえってきたのを憶えている。

 “Heartbreak Station”というアコースティックギターで始まり、バックにはドラムとベースが重なりそのままで進行し終わる名バラード曲があるが、そこでトムはアコースティックギターで演奏を弾いている。

 ならば何故そのアコースティック主体の曲でトムが弾いているの?大事なのは土台じゃなかったっけ?という疑問がわいてくる。やはり、自分が目立ちたいのだ(笑)

●”Heartbreak Station"



 しかし、オーラが出ている、身長が高い、顔が良い、音楽センスが抜群、ステージアクションやしぐさが魅力的で思わず視線がいってしまうというカリスマ的な性質をトムが備えているところを見ると、やはり、プロデューサーからの要望もあり、トムの自己愛的な性格から自分にスポットライトを当てさせるようにリーダーシップをとっている、という両方で事は進行していたのではないかと思う。

 CINDERELLAのコンサートを観に行ったのは実に、今年で20年前になるが、その際の感想を述べると、やはりオーラが出ているのでどうしてもトムに視線がいってしまう。

 シンガーがギターをもって歌うタイプのバンドはどうしても立っているマイクスタンドが邪魔になって客との一体感が阻害されてしまうのだが、ことCINDERELLAの場合は違ってマイクスタンドがあろうが一体感は全く阻害されなかった。

 この年に数え切れないほどの自分の好きなアーティストが来日してコンサートおこないどれも観に行ったが間違いなくベスト3に入るほど良いコンサートであった。曲の良さに加え、演奏力の高さに、退屈な気分に絶対ならないセットリストの進行過程がたまらなく良かったのである!

しかし、それだけの良きコンサートで あったにもかかわらず、それから94年にニューアルバムを出して以来、CINDERELLAは一切スタジオアルバムを出していない。

それは、世の中が不況だから、ハードロック勢は苦戦を強いられ、レコード契約を結べないのかなと、漠然と考えていた。しかし、そういう苦境に立たされていたのは何もCINDERELLAだけではない。

 同時代のDOKKEN、TESLA、GREAT WHITE、L.A GUNS、RATTといった面々はそれを乗り越えてアルバムを制作し、ツアーにも出ている。

 それなのに、ことCINDERELLAだけ16年以上もアルバムを出していないのはおかしい、と常々思ったいた。

 しかし、トムキーファーという人間の内面を探っていくと、何らかの答えがわかってくるような気がする。

シンデレラ 
 トムは自己愛人間である。

 自己愛というのは、ナルシシズムとは違う。ナルシシズムは、自分の容姿や才能等に惚れてしまう人間のことであるが、自己愛人間とは、自分を外部から良いように、見栄え良く魅せるように常に意識している人間のことである。
 
 素晴らしいなにかを達成しようと常に意気込んでいる上に、素晴らしい自分という自己イメージが内面に棲みついているのである。

 こういった人間は、「俺はいつも一番でなければ」「誰よりも素晴らしい」という考えを持っているのである。

 なぜこういった考えが心に棲みつくのかといえば、幼き頃より、パパやママに過剰な期待を背負って生きていくと、こうなるパターンが多々あるようである。

 しかし、それが上手く機能していれば、その人間は現実世界と上手くやっていけるが、それが機能しなくなると、実現する道を見失って、傷つき、怒り、外に出られなくなるのである。

 小中高大と付属大式のエスカレーターで教育を受けていて万事上手くいっていたが社会人になって現実とぶつかり挫折しそこから脱せない人、天才と言われた人が難関大学を受験するも合格できずに挫折しひきこもりそこから抜けれない人、それまで連戦連勝していたがいきなり負けてしまいそこから復活できなくなったスポーツ選手、これらの人間は自己愛人間であるパターンが多い。

 これをトムにあてはめてみると、ファースト、セカンド、サードとだしたアルバムはすべてプラチナ以上の売り上げを達成していたが、その破綻は4枚目のアルバムSTILL CLIMBING発表の時にやってきた。

night songs long cold winter heartbreak.jpg


 ネットでは「グランジオルタナの勢いのせいで、このアルバムは178位にまでしか上がらなかった」と書いてあるが、理由はそれだけではない気がする。

still climbing 
STILL CLIMBING

 このアルバムは、全体的にインパクトが薄く、パンチに欠ける曲が多い。確かに良い曲は3曲くらいあるが、この3曲のために48分もの時間をCDをかける時間に費やすのはもったいない。であるからして、このアルバムは私もCINDERELLA史上一番聴いていないアルバムである。

 ●このアルバムから唯一シングルカットされたのは以下の曲である。
     ↓
“Hot & Bothered”

 

 こういう自己愛人間は、辛い現実と全面的に直面してしまったがために、そこから抜け出そうとしないパターンが多々ある。
他のアーティストなら、アルバムが売れたらラッキー、売れなかったら次に頑張ればそれでいいと考えるが、自己愛人間はまた現実社会に出て傷つくのが怖いのである。

 そしてそれから抜けだそうといつまでもしないのである。

キーファー 
 トムの場合、ニューアルバム作成ではなく、ベストアルバムのリリースとライヴアルバムのリリースである。各々数枚出している。そしてジョイントツアー、それだけがこの16年間のトムの音楽活動である。前向きさがなく、過去の栄光だけを見ようとしている。

 CINDERELLAにおいては、アルバム収録の10曲中9曲はトムが一人で作曲作詞し、残りの1曲はトムとベースのエリックブリティンガムとの共作というのがほとんどであった。

 だから、トムのこれからの意向がCINDERELLAの鍵を握るのだが、お先は全く見通しの出来ない状態である。

 このトムの精神状態は、同時代に活躍したRATTのヴォーカリストであるスティーヴンパーシーとは対極にあるといっていい。

 スティーヴン92年RATT解散後、ARCADE、VICIOUS DELITE、VERTEX、そしてソロアルバムといろんな経緯でアルバムを出してきたが、どれもRATT時代のような成功は収めてはいない。

 しかし、ARCADEで来日した時のインタビューに応えた時の発言が印象に残っている。

 RATT時代は大きなアリーナでプレイしていたが、今は中級ホールやクラブでしかプレイしていないが不満はありますか?というインタビュアーの質問に対し、

 「自分は音楽プレイヤーだからどんなところでもプレイする。クラブでもバスルームでもやるよ!どんな狭いことろでも全然構わない!

 と言っていた。
パーシーソロ 
スティーヴンパーシーのソロライヴの広告
 
 この精神をトムにも伝えたいと私は思う。

 同じミュージシャンでありながらこういった精神的な違いが出てしまう。なぜか?

 精神心理学者の分析が正しいならば、言わば自分が育った家庭環境にあるといって良いのかもしれない。

 一方は音楽ができれば売れてようが売れてまいが、それで精神的な幸福感を得て生活しているが、一方は売れないのが怖くてスタジオアルバムが16年以上も出せないでいる。

 ではどうすればトムがまた復活できるのか?心理療法家でない私が、「こうすべきだ!」などという大それたことは言えない。

 しかし、ファンの要求としては、 「売れてようが売れていまいが音楽ができればそれだけで幸せ」と思っている多くのミュージシャンの精神から何がしかを学んでほしいと思う。

 この精神は、我々一般人の仕事やビジネスに対する心がけとしても学べる姿勢であると思う。

 スタジオアルバムを4枚5枚6枚と出していって、そこからバンドの真価が問われるのではないか。

 CINDERELLAはその前でつまずいてしまっていると感じるのは彼らのファン全般に共通する心理であるといって良い。

 CINDERELLAの復活を心から祈っているのである!

 ●CINDERELLAの過去の名作、ベストアルバム、ライヴアルバムはコチラ!

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コメント
コメント
勿体ないトムさん
トム・キーファーは確かに自己愛型ですね。しかも天才肌で芸術肌。なかなか協調と言う社会性は難しい。特に芸術肌が強い人間を別の客観視点で視てみると、例えば画家なんてのは一人のエネルギーの表現。誰かとコラボレーションなんて滅多にない。その世界なんでしょうね。小説家とか、そんな感じをトム・キーファーには受ける。自己の内面の表現をする。彼もその世界観では。それはロックと言うジャンルが絡むと実は非常に難しいんじゃ無いでしょうか。ジョン・レノンが黄金ならポール・マッカートニーはセンスの猪臥銀、ジョン・ボンジョヴィにはリッチーと言う猪臥銀。ミック・ジャガーにはブライアンとキースみたいな。スティーヴン・タイラーにはジョー・ペリーみたいな。ビートルズはそのタレント性を視るなら周りが全て猪臥銀クラスですけれど、じゃトムにも周りに猪臥銀タイプが必要だったのでは?しかしトムの素性をみると、彼は黄金タイプではなくどちらかと言えばセンシティブな猪臥銀タイプですね。しかも自己愛型の天才肌の芸術肌…しかもロックと言うバンドメンバーが絡む形態、しかも自分のギター心もある。これは確実に難しい。スティービー・レイ・ボーン&ダブルトラブルみたいなバンド名にしてしまった方が良かったんじゃ無いでしょうかね。プロモーションも完全に失敗している。誇張しすぎたら確実に失敗するタイプでしょう。でも、彼自身の才能は素晴らしいです。そこはもっと評価されるべきなミュージシャンではありますね。勿体ない存在ですね。アヒル口が流行ったのは彼が最初でしょうが、もし一般人視点の私がまかり間違ってプロモーションに参加していたとしたら、『それは、絶対やめたほうがいいですよ。』と絶対に言う。とにかく勿体ないミュージシャンて思うのは、私だでしょうか…、
2014/10/30(木) 20:27:33 | URL | 一般人 #- [ 編集 ]
誠にありがとうございます、一般人様。
大変に長いコメントありがとうございました。

あなた程長いコメントをいただいたのは初めてです。

私の分析が正しいのならば、トムキーファーは自己愛人間ですね。

4枚目のアルバムが、デビュー当初の成功が収められなかったからとてまた傷つくのを恐れて、次のアルバムを作れないでいるのは、大変にもったいないことですね。

そんな当初のような成功を収めれてはいないのはなにもCINDERELLAだけではありませんし、そのことに気づいて早く次のアルバムを作ってほしいなと思い、その思いをつづりました。

94年以降は、ライヴアルバムといろんな国で出されたベストアルバムしか出していません。

23年前にいったCINDERELAの来日公演の素晴らしさは今もって忘れられないほどの出来でした。

2年くらい前に『DOWNLOAD FES』に出演したくらいでめだった動きはありません。

これから先、ベストヒットライヴだけをしているのはあまりに悲しいですね。

単独公演でも、『LOUD PARK』や『SUMMER SONIC』のようないろんなバンドが集結してやるイベントでもいいから早く日本にも来て公演をしてほしいですね。

その際、あまりの受けいられように感動し、トムが再び作曲をしてアルバムを作りまたバンドとして活動してくれたら、これに勝る喜びはありません!

最近…というか前に彼のソロアルバムが発売されましたが、いまだに買ってもいないし、聴いてもいないんですね(苦笑)

このブログのほかにいろんなビジネス等をてがけていますから…私が今高校生ならば間違いなく買って聴いているのですが…。

こういった理由でも、かつての熱狂的なファンは離れていますから、かつての成功を手に入れられなくても構わないと思うのですが、トムはそうは考えれないのでしょうか?

…自己愛人間であるがゆえに。

しかし、これからの彼の行動を決するのは彼の内面次第。

彼が本気で「取り組もう!」と思えるかどうかがカギですね。

そうは言っても、CINDERELLAは1stから3rdまでは順調に売れて、世界中をツアーでまわったので、レコード印税やコンサートの興行収益でかなり稼いでいるので、今アルバムを出してツアーなどしなくとも充分生活資金があるのではないでしょうか?

90年代の半ばに、『BURRN!』のインタビューでドンドッケンが、「金儲けは興味ないんだ。金は充分あるんだ。人生3回やり直せるだけの金が俺にはあるんだ!」と言っていたのを思い出します。

それは嘘だろう、と思ってましたが嘘ではないだろうと思います。

21年前に、虎舞竜という日本のバンドが”ロード”という曲をヒットさせましたが、その曲からのCDやカラオケからの印税で、このバンドの作詞作曲者である高橋ジョージは、今も年に1200万円を得ているようです!

たった1曲がヒットしただけで…。

ですから印税の力はすごいのです。

英語のような世界中で通用する言語で歌われているCDの印税なら、これどころではないでしょう。

虎舞竜どころのヒットではないのですから(笑)

「今アルバムを出さないと生活がやばい!」というような後ろ盾がないと人は動かないのでしょうね。

今、出さなくともトムは充分に食べていけるだけの印税等が毎月入っているのでしょう。

彼が動かないのはそんなところにあるとしか考えれません。

しかし、まだ彼は50代の初期、引退するには早いし、その才能を生かせずにこのまま隠遁してしまうのはあまりにもったいないですね!

60をとっくに過ぎているのに、いまだバリバリの現役を突っ走っているJUDAS PRIESTやデヴィッドカヴァーデールなどをトムは見習ってほしいですね。

早くバンドとしてのアルバムを出して!と願っています。

今回はこれにて失礼いたします。

また来て私のブログを閲覧してもらえたら嬉しいです!

今回はありがとうございました。

2014/11/02(日) 10:48:00 | URL | テヅロック #- [ 編集 ]
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