HR/HM温故知故
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『LOUD PARK』に吾思う 2012
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2012年は自分への公約としてLOUD PARKに行った。

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 2011年はヒップホップをメタルに取り入れた異色のバンドであるLIMP BIZKITが急遽ヘッドライナーに取り変わる事態になったのみならず、セカンドビルのWHITESNAKEはもとより、STRYPERTHE DARKNESSUNISONICなど80年代のハードロックファンにはたまらないバンドが参戦したのみならず、UNITEDARCH ENEMYなど、「ラウドへヴィ」という枠にとらわれない多くの種類のバンドが参戦して、非常に興味深いイベントになった。

 そういういろんなバンドが出演するフェスはLOUD PARKならではの魅力ですらある。 

 それを生で体験しないことにはメタルファンとして体面が泣くと思われたからである。

 しかし、大きく『METAL』というカテゴリーにくくられるバンドは変革というか激動の時期に入っている。

「海外アーティストは日本では単独で公演するもの」と20年前は決まっていたが、効果や需要の逓減で、そんな悠長なことはいっていられなくなったのである。 

 やはりいろんなバンドを10くらい集めなくてはコンサートに人を集められなくなったのである。

 それがLOUD PARKであり、数十ものアーティストを集めたのがSUMMER SONICであろう。

 日本のCD業界も同じく変革の時期に来ている。

10数年前には、考えられなかったが、今や音楽は韓流ブームである。

 私が勤務している渋谷では毎日のように韓国の女性グループである少女時代の音楽が流れているし、同じくKARAのニューシングルのPRの街宣車が街をまわっているし、同じくSECRETのPRクリップの映像が流れているし、チャングンソクが東京ドームや埼玉スーパーアリーナで単独公演をしている。

 日本のアーティスト、というカテゴリーに入るものは飽きがきているのが良くわかる。

 しかし、ことラウドへヴィのカテゴリーに入るバンドは、自分にはラッキーであった。

 今回出演したIN FLAMESDRAGON FORCEなどは前々から気になっていたが、単独公演で来日公演が決まっていても絶対に行かなかっただろうことは間違いない。 

 HELLOWEENもこのバンドは好きではあったが、単独では行く気にはついぞなっていない。

 しかし、気になっていたり、好きではあるけれども単独公演では行かないバンドでも、こういった一同に集まるイベントであれば観ることが出来るのである。

 10以上のバンドが集まって1万数千円であれば割安になるからである。

 単独ではこれない時代…でもこういったメリットがあるのは、今の時代ならでは魅力ではないか?しかし、そのアーティストの大ファンで、フルライヴを観たい人にはちょっぴり残念ではあるが…

 今年も2010年までは2日間のイベントであったが、昨年からは1日だけのイベント、そして今年も1日だけのイベントで、しかも同じく急遽ヘッドライナーの変更である。

 昨年は当初、WHITESNAKEがヘッドライナーとして告知されたが、チケットの売り上げが芳しくなかったのか、急遽LIMP BIZKITがヘッドライナーに据えられた。

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 そして今年は、始めはHELLOWEENがヘッドライナーとして告知されたが、またもSLAYERがヘッドライナーになった。 

  しかし、そんな変えなくてはいけないことだったのだろうかという疑問がある。 

  これまでのHELLOWEENの日本での人気ぶりとSLAYERのそれとを比較してそんなに差があるわけでもないし、両者CD売り上げでは拮抗していたのではないかと思われて仕方なかったのである。

 まあそこはそれほど詮索してもしょうがないだろうが、私の見解では、どちらがヘッドライナーとして君臨しても、同じような歓声の大きさになり、同じような受け入れられかたをされただろうことは間違いない。

 人気が同じような両者だからして…

 案の定、そうだった。

 ヘッドライナーのSLAYERが登場した時にも、HELLOWEENの時とそれほどの違いがあるわけでもなく、同じような歓声の大きさであったと体感したのである。

  ただLOUD PARKという名のイベントであるからして、その名にふさわしい音楽を体現したバンドをヘッドライナーに据えたのだとしか考えられない。

 それはやはり思いすごしであり、HELOWEENのファンのかたは、少しも思い煩う必要はなかったであろう。

 会場に向かう途中の行列の中で、ファンの層を垣間見たが、一見したところきているのは25~40歳くらいのファンでひしめき合っていた。

 いろんなタイプのバンドが集結したこのイベントで、これくらいのいろんな層のファンが集まるとは意外であった。 

 結論から言ってしまうと、このイベントではSLAYERだけをメインにはファンは見に来ていなかったのだと言える。

 確かに、メインアクターとして据えられたことからして、これまでの実績ではナンバーワンに近いであろう。 

 SLAYERの時が一番観客が集まったわけではないことは一目でみればわかった。

 3ステージでの開催であったが、SLAYERの時は、2つのステージを完全に閉ざして開演したにもかかわらず、参加した17バンド中一番観客が集まったわけではなかったのである。

 それには私は驚いた。

 これはいろんな理由があるだろう。

 まず、3度目のLOUD PARKでのヘッドライナーであり、かつ特別な公演(例えば、アルバム1枚完全再現など)ではなかったというのも理由だろうし、ヘッドライナーの開演までいろんなバンドのステージを堪能して(ノッたり、モッシュしたりと)疲れてしまった、ということもあるだろう。

 こういうことを発見するのもまた現地に足を運んで観るメリットであると言える。

 しかし、会場に集まったファンのメタルバンドに対する寛容さには驚いた。

 「俺はこれこれこういうバンドしか聴かない!」と自分に枠を設けている人間にはなりたくない。

 こういうことを言うことによって、聞いている人に近寄りがたい印象を与えてしまうし、なによりも枠を設定することによって自分が楽しめるカテゴリーを制約してしまうし、それでは非常に人生もったいないからだ。

 私は、NELSONからCRADLE OF FILTHまで聴く非常に好みの幅が広い男なのである。

 こういう男は珍しい…と思っていたが、会場に集まったファンたちはもっと好みが広い。

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  NELSON

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CRADLE OF FILTH


 私は自惚れていたのが情けなくなった(笑)

 まず、一番最初に登場したのがCHRISTFER  AMOTTである。

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 CHRISTFER  AMOTT

 周知のようにこの人はARCH ENEMYのセカンドギタリストであったが脱退し、ソロに転向した。

 ところどころで、ラウディなメロが炸裂し、ファンを驚かせたが、基本的には静かなブルージーな音楽といったかたちで、グレンヒューズかとおもったくらいである。

 彼の場合、ARCH ENEMYでのステージングでの仕事ぶりを堪能してきたので、そういった音楽をどうしても期待してしまいがちではあるが、そういったものとは一線画している。

 どのような音楽をしていくかはわかりかねるが、とにかく「良い感動できる音楽」であるならばどのようなものでも構わないと思う。

 しかし今回の、トップバッターという立場上、短いステージで終ってしまったが、どうにもコメントが難しいステージであった。

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            MAXIMUS CIRCUS

次に登場したMAXIMUS CIRCUSはメタルとはちょっと程遠い爽やかさを醸し出したいでたちをしていた。短髪で、輝きをはなつ洋装をしていた。

「これはラウドパークではなく、サマーソニックでくるべきではなかったか?」というふうに思えて仕方なかった。 

 洋装のみならず、音楽的にも夏に聴いても何ら違和感のない音楽をしていたのだから。

 音楽的には、非常にキャッチーなものであった。

 いきなりラウドなことはせずに、万人受けするような音楽であった。

 こういった音楽であるならば、私が今10代の少年ならば彼らのファンになり、単独公演もいったのではないだろうか? 

 最後は、曲の最後にSEの幻惑的なメロを流しながらの退場であった。

 そのSEは、メンバー去ってからそのままフェイドアウトして終わりである。

 なかなか凝った演出をしてくれて効果てきめんであった。

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        HALESTORM

会場を離れて、ちょっと食事をしている間に、すぐさまHALESTORMが演奏を始めてしまった。

 聞えたのは”Love Bites”であった。

 これは伊藤政則の番組『ロックシティ』で幾度かみたことのある曲であった。

 前2者の曲は聴いたことのないマテリアルであったが、一度でも聴いたことのある曲であると自然と親近感がわくから不思議である。

 しかしフロントマン(ウーマン?)のリジーへールは言葉で表せないほど攻撃的な女性である。 



 非常にラウディでありながら聴き手を魅了する歌唱力を持ちかつ、スピーディな曲を展開しながら聴衆をひっぱっていくのである。 

 タンクトップにジーンズといういでたちで、ギターをかきならしながらLOUD PARKの会場を一気に走り抜ける。

 この女性は、写真でみるのとまた映像でみるのとでは違った印象を持つから不思議である。

 そして、実物を会場でみるとまた違う印象を与えるから不思議である。

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 3曲目には“It’s Not You”がなされた。

 これも既知の曲だったので自然とノレる。

 リジーが会場の聴衆(おもに男であったが)をアグレッシヴに引っ張っていく姿をみていると、どうしてもこのひとは、痴女優モノの女優としてデビュー出来るのではというかねてからの思いがどうしても露わにならざるを得なかったのである(笑)。

HALESTORMのグループショットをみると、リジーのルックスはかなり綺麗だし、黒タイツ姿も結構セクシーである。

それでいて、会場の男を自分から引っ張っていく力は並み大抵ではない。

 こういう要素を備えた女性は痴女優モノに最適である(笑)

エッチな話しであるが、そういうカテゴリーの話題は、ロックには欠かせないものであるのは間違いない。

 いつか、WHITESNAKE”Slide It In”「アレをアソコに挿入する」という意味であるということを他のページで紹介した。

 男である以上、こういったことを考えざるを得ないのである。

 もちろん、「音楽」である以上、音や楽曲を第一番に考えて堪能するのは当然であるが。



 いくつか知らない曲が演奏された後、何やら知っているようなイントロが聞えてきた。

 何とそれはSKID ROW”Slave To The Grind”ではないか!

 なるほど、このバンドのモチーフからして、SKID ROWの影響を受けて育ったのはようくわかった。

 そのステージングを眺めていると、なんと当のSKID ROWのシンガーであった、しかもあとで出演を控えているセバスチャンバックがゲスト参加しに来たではないか!

 こういった演出があってこそ、こういったイベントに参列する意味があるというもの。

 しかし、このHALESTORMの2番後にセバスチャンは登場し、この曲をドたまに演奏したのである。 

 同じイベントで同じ曲を2回もやるとは…(笑)

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 このHALESTORMは、これまでの人気ぶりからして最初から3番目に登場では早い、と私は思ったのである。

 人気の蓄積からしてもっと順位を後にしてもいい魅力と人気ぶりを私は、感得したのである。



 ブラジルが誇るラウドなバンドであるHIBRIAの演奏が終わってのち、超高速な速弾きギタリストを擁するDRAGONFORCEが登場した。

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    DRAGON FORCE

 しかし、この時のメインアリーナに集まった観衆の多さには参った! 

 ステージの直前から、最後部まで客がギッシリと詰まっていたのである。 

 このバンドは2人のギタリスト共イングヴェイ以上のスピード弾きを難なくこなす腕の凄さをテレビで垣間見ていた。

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   イングヴェイ

楽曲の魅力では、私にとってイングヴェイの方が好みであるが、しかし、この観客の多さは何だろうか?と思わざるを得なかった。 

 アリーナ内は超満員! 

 しかも、全体でモッシュサークルが4つ以上も出来ていた。

 この出番でこれほどの客が集まるということは、HELLOWEENSLAYERの時には、入りきれない客が押し出されて1階席や2階席にまで来るのではないだろうか、と思わざるを得なかった。

 しかしそうではなかった。

それについては後述しようと思う。

 このDRANGONFORCEは非常に特徴的なメロディをもっている。

 聴いて一発で彼らとわかるのである。

 それはデビューから今も変わらぬ姿勢である。

 キーボードからのも、ギターからのもかなりファンタジックで、みたことも聞いたこともないような夢の世界に聴き手を連れていってくれる。 

 それでいて、長い速弾きをしていても轟音に打ち負けないへヴィネスを維持しながらメロを展開していくから驚きを隠せない。

 並み大抵の実力ではないのが明らかである。

 幅広い音楽性と声域をもつ新シンガーを擁立することによって新たなファンを獲得していったのは間違いない。

 これからが楽しみなバンドである。



 このバンドが演奏していた時、私はステージ真前の2階席から見ていたが、このLOUD PARKで一番観客が集まったのは、このDRAGON FORCEの時であった。

 この目で見て確かめたのだから間違いない。

 一番観客が集まったのは、ヘッドライナーのSLAYERの時でも、セカンドビルのHELLOWEENの時でもなかったのである。

 雑誌では一切そのことに触れていなかったが事実であるから、そのことは頭に入れていいて損はないだろう。

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    セバスチャンバック

 次に、先ほどHALESTORM時に登場したセバスチャンバックが登場した。

 しかも、その時演った”Slave To The Grind”である(笑) 

 その時のヘッドバンキングの激しさは並みではなかった。その凄まじさはまるで20代の青年のするような激しさであった。

 たなびかせていた髪の量もさることながら、そのはなつオーラは全然衰えていない。

 彼を日本が最初に歓迎したのは80年代の超後半、彼が20代にはいったばかりの頃である。

 しかし、今や彼も40代の半ばにさしかかっている。

 時の経つのはあまりにも早い、いやあまりにも早すぎる…!

 昔とった杵柄というニュアンスを含むことは言いたくはないが、どうしてもロッカーのピークや全盛期は20代の頃なのである(稀にデヴィッドカヴァーデールのように30代中盤のようなケースはあるが)。

 その頃に出来上がったマテリアルが一番聴き手を魅了するのは、自明のことである。

 彼は最近ソロでKickin’ & Screamin’というアルバムを作り、非常に良いアピールを聴き手に残すことに成功し、その曲も非常に楽しませてもらった。
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  『Kickin’ & Screamin’

やれば出来るではないか…と思わずにいられなかった。



 しかし、彼のステージングが中盤に差しかかった頃に思ったのは、IRON MAIDENのことである。

 一番最近に、IRON MAIDENが日本で来日公演をおこなったのは、ここ埼玉スーパーアリーナである。

 しかも、単独で2日間やったのである。

 これほどのことが出来るメタルバンドは今では稀である。

 そのIRON MADENとセバスチャンの前のバンドSKID ROWは一緒のイベントで共演した。

それは92年のキャッスルド二ントンでのMONSTERS OF ROCKである。

 その時、IRON MAIDENがヘッドライナーでSKID ROWはセカンドビルであった。

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  『MONSTERS OF ROCK 92'』

 しかし、当時のSKID ROWはまだ2枚目のアルバムを出した後であったが、そのセカンドアルバムが全米初登場ナンバーワンに輝くというハードロック史上初の偉業をやってのけた後のことであった。

 しかもその時の来日公演は15000人を擁する代々木オリンピックプールを3日間ソールドアウトにし、その次の年にも来日公演をおこない、その際は日本武道館であった。

 まさしくトンでもないバンドであったのだ。

 しかし、その後頑張るが不振とまではいかないが、この時ほどの成功は収められず、そしてバンド内部でいざこざがおこり、セバスチャンは解雇される。

 その後、バンドは他のシンガーを立てるがセバスチャンがいた頃のバンドとは程遠いセールしか上げれていない。

 私は91年に思った。

 このバンドが将来、ハードロックにとって重要な位置を占めるバンドになる!

 と。

 しかし、現実はそうではなかった。

 いつまでもここ埼玉スーパーアリーナくらいのキャパを埋め続けるバンドになる、と思っていたがそうにはならなかった。

 92年当時は、IRON MAIDENを抜くバンドにすらなると思っていたが現実はそうではなかった。

 いまSKID ROWが来日公演をおこなってもアリーナ級では出来ないことは明白だ。

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 セバスチャンのステージがクライマックスに近づいてきた頃、最後の曲は何か?という疑問が出てきた。

 単発のドラミングに合わせて、ラストソングを言うとやはりわかった! Youth Gone Wild”だ。 

 観客の誰もが、この曲で締めることを期待しているのがわかった。

 彼はこの曲でなくては!という雰囲気が肌で感じれた。 

 EUROPE”The Final Countdown”で、WHITESNAKE”Still Of The Night”で締めなくては観客が納得しないように、セバスチャンもこの曲でなくてはダメなのだ!

 この曲終了後、彼の健闘をたたえると同時に、SKID ROWへの彼の復帰を祈願したものである。

 その2番あとにSONATA ARCTICAが登場した。 
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     SONATA ARCTICA

 しかし、あの日本でおこなわれたIRON MAIDEN FESTIVALからはや10年がたとうとしている。

 その時は、IRON MAIDENを筆頭に、ARCH ENEMYが参加し、SONATA ARCTICAは一番手であったのだ。

 ヘッドライナーのIRON MAIDENは日本でも単独でアリーナで出来るモンスターに変化して、それ以下のバンドは、こういったメタルフェスティバルでの参加を余儀なくされる…しかし、そういったバンドでも、単独公演出来る資質をもったバンドは数多くいるということは強調しておいて良いだろうと思う。

このバンドは、フィンランドの出身であるが、スピードを基調としたメタルバンドで、聴いていると非常に心に汗がともる…そんな感じである。 

 聴くと、フィンランドの風景が目前に現れてくる感慨に襲われるのである。それがまた音楽の不思議である。 

 その濃厚なへヴィネスに、フィンランドの寒冷な気候がそびえたつ…非常に不思議な表現であるが感覚としてはそういうのが妥当な音楽なのである。

 こういったヨーロピアンバンドには往々にして持つ音楽の特徴なのである。

 他の英米のバンドには持つことの出来ない感性をこういったバンドは持っているのである。

 こういった特性を体感出来た私は良い経験をしたと思っている。

今回のLOUD PARKは3ステージ制であり、メインアリーナの外に、アリーナを出て階段に行くまでに大きな通路がある。そこを第3ステージに設定されていたのである。

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 メインアリーナだけの昨年までの『LOUD PARK』とは違い、ちょっと行くのに面倒くさい。

 その第3ステージ(名はEXTREME STAGEと名付けられていたが)で日本が誇るDIR EN GREYが6番目に出場していた。

 このバンドは、X-JAPANYOSHIKIのプロデュースでデビューしたバンドとして有名である。 

  しかしかつては単独で日本武道館で公演をおこない、日本人バンドとして唯一、ドイツでおこなわれる8万人を擁するメタルフェスであるROCK AM RINGに参戦したというのに、今はこのキャパでやらなくてはいけないとは…という思いにとらわれてしまった。

 その音楽性は、非常に特徴的で、どうしたらこういう世界を描くことが出来るの?と言いたくなるほどの幻影的な音楽を構築している。 

 欧米人では描くことが出来ないオリエンタルな世界観は一種不気味であるが、その塩梅は、多くの人を避けさせるようなものではなく、もうあとちょっとおぞましくなったら逃げてしまう、というギリギリのラインで止まっているのである。

 天才と狂気は紙一重、という言葉にもあるように、聴き手が逃げ出すとファンになる一歩手前のラインで抑えているのだ。その異様な世界を。 

 オリエンタルなバンドでありながら、英米のバンドに混じって演奏し、多くの人を惹きつけている彼らは見事である。

 再び、メインアリーナに戻り、観戦することにした。

 サードビルのIN FLAMESのお出ましだ。

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       IN FLAMES

 このバンドは、以前から気にはなっていた。

 デスともスラッシュとも言えるスピーディなメタルを体現するバンドであり、 WHORACLEというアルバムが好評を博していたのだ。

 その後、たいしてこのバンドに目をくれることもなく、年月がすぎた。

 しかし、今回このバンドをこのフェスで観るに際し、一応ドキュメントくらいはみておかなくてはと思い、雑誌をみたら驚いた。

 このバンドの最新アルバムのSOUND OF A PLAYGROUND FADINGがなんとアメリカのチャートで27位に入ったというではないか!

 しかもこのバンド、スウェーデン出身なのにもかかわらずである。

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SOUND OF A PLAYGROUND FADING

 2005年に、フィンランドのHIMが、イタリアのLACUNA COILが、そしてスウェーデンのOPETHが、フィンランドのCHILDREN OF BODOMアメリカンチャートを席巻した。

そして今回、IN FLAMESまでもがその偉業を達成したのだ。

 90年代は非英米のバンドでは難攻不落のアメリカンチャートを2000年代からいろんなアーティストが昇るのに成功してしまっては、もう珍しい現象でもなんでもなくなってしまったが、それでもそれを達成するのが少数であることを考えれば偉業であることに違いはない。 

 その音楽は、ツインのへヴィで濃厚なギターが会場全体を覆い、おどろおどろしい雰囲気が醸し出されるが、その強力さはこれまでに出演したバンドにはない迫力を有している。


 そのチカラによって観衆がいやが応にも引っ張られていく。

 スウェーデンというと私の世代ではどうしてもジョーイテンペスト率いるEUROPEを想起してしまうが、そのバンドとは魅力が明らかに違う。

 このバンドをみていると、このバンドがこのフェスのヘッドライナーになってもよかったのではないかと思えるほどであった。 

 威厳、へヴィさ、演奏力、カリスマ性…どう見てもヘッドにふさわしい風格をもっていた。

 次は、このバンドを単独で観てみたいものであった。


 さて、ついにHELLOWEENのお出ましである。

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         HELLOWEEN

 去年のLOUD PARKでは当初WHITESNAKEがヘッドライナーであったにもかかわらず、急遽LIMP BIZKITがヘッドライナーに変わってしまった。

 チケットの売り上げが芳しくなかったのだろうと思う。

 今年も当初、HELLOWEENがヘッドライナーであったにもかかわらず、最後にはSLAYERになってしまった。

 急遽すげ替えられてしまったHELLOWEENのメンバーの気持ちはどうなのであろうか? 

 これまた、おどろおどろしい雰囲気のSEで幕を開けた。

 先日、WOWOWでLOUD PARKの模様が放映され、観ていたが、そういった雰囲気は感じれなかったが、会場にいた私はそう感じたものである。 

 テレビでは感じれないものを、会場では感じることが出来る…これもライヴに足を運ぶメリットである。

 聴いた事のある曲で始まった。

 ”Are You Metal?”ではないか。

 しかし、シンガーのアンディデリスは、かなりのオーラを感じるフロントマンになりきっている。

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  アンディデリス 

 デヴィッドカヴァーデールWHITESNAKE)のように、マイクスタンドを空中で振り回すわけでも、ブルースディキンソンIRON MAIDEN)のようにステージを駆け回るのでもなく、特別な振り付けをするわけでもないのに、どうしても目が彼にいってしまう。 

 特有のオーラを放っているのだ。 

 これも、会場に運ばなくては体感出来ない、ライヴ特有のメリットであると言えよう。

 彼の存在感は、HELLOWEENというバンドと完全に一体化している。

 彼の存在がバンドにインストールされている。



 彼を初めて知ったのは、91年PINK CREAM 69の日本デビューのときであった。

そのアルバムが、非常に出来がよく、今でも私の愛聴盤になっているだけに、思い入れが深い。

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 そのバンドの中心メンバーである彼が、そのバンドを脱退して、今のHELLOWEENに加入した時には驚いたものである。

 これまでの、音楽性とは違うからして、数年で脱退するのだろうと思っていたが、加入してからもう19年も経った。

 もう彼の「最高の居場所」なのだろう。

 そのフィット感を感じてこのバンドこそが終身雇用の場であることがわかった。

今の冴えないPINK CREAM 69には金銭的にも、感情的にも戻るメリットはないのは明白だ。


 しかし、アンディの前のシンガーであるマイケルキスクは日本でも有名な驚異的ヴォイスを誇るシンガーである。

 そのマイケル時代の曲も、このイベントで披露された。

 有名な彼の声との比較をした評論なりを読んでみたいと思うのが、ハードロックファンの願いであろうが、そういったものは見たことがない。

 ぜひともそういったものを読んでみたいものである。 

 このバンド全部の演奏を観て感じたのは、これまで積み上げてきた名声、培われた演奏力、作曲力、そして威厳、どれも一途にファンになれる魅力を有していたということである。 

 単独公演が楽しみである! 

 さてついにSLAYERのお出ましである。

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       SLAYER

彼らについてよく知っていたのは90年の昔からである。

 当時はこういった音楽はまだメジャーになりきっていなかったのだが、こんなにも大きな会場でヘッドライナーをつとめるとは彼らも出世したものだと感心せざるを得ない。(遅すぎだろうか?)

始まりは、やはり”War Painted Blood”だ!

HELLOWEENよりももっとおドロしい雰囲気を出している。当然か?

今から数年前、ベーシスト兼ヴォーカリストであるトムアラヤは引退宣言をした。

 その理由は、もう肩がいかれているからだという。 

 しかし、すぐさまその言を彼は撤回した。

 そのかわり、彼のステージングの十八番であるヘドバンは一切していない。

 しかし、デビュー当時スラッシュメタル4天王といわれたANTHRAX、MEGADETH、SLAYER、METALLICAとこれらのバンド中3つが専任ヴォーカリストでなくベースやギターを兼ねながら唱っているということに気がついた。

 ステージングは、ヴォーカリストがステージ上を動き回らなくては観客は飽きてしまう。



 しかし、MEGADETHにしろMETALLICAにしろSLAYERにしろヴォーカリストは専任でないのに、観客が観飽きないという特徴を備えている、ということに今更気がついた。

 それはいずれも今回のLOUD PARKのように大きなスクリーンを使用してのイベントだったからかもしれないが、それがなくとも観客を釘づけにする魅力をどのバンドも有しているのではないかと思えてならなかった。

 90年代当時は、SLAYERMEGADETHには一歩後塵を拝していて、どのイベントでもMEGADETHの前に演奏することが多かった。 



 しかし、2000年代以降のイベントではほとんどというか全部MEGADETHの後に登場している。

 最近では、スラッシュ四天王が一同に会したSONISPHER FESが代表的であろう。

 これは、MEGADETHが一時期解散したということもあろうが、SLAYERが堅実に活動をやり通しヒットをとばしてきたということが大きな原因であろう。

 最新作のWORLD PAINTED BLOODアメリのビルボードで5位にまでいったというから驚きである。

血塗られた世界
WORLD PAINTED BLOOD

 演奏の力も素晴らしい!

ギタリストのケリーキングはもちろん今、病気で入院しているジェフハネマン(g)の代約をしているゲイリーホルトのプレイも見事であった。 

 もう数年以上もこのバンドで演奏してきたのではないかと思えるくらいに見事に溶け込んでいる。

 SLAYERのように勢いで押し込んでいく楽曲では、どうしても他のプレイヤーたちとのなネジが噛み合わなくては良き演奏をこなすことは出来ない。

 それならば、ドラマーはもっと大変だといえよう。 

 このイベントに参加していてまず思ったのは、ドラマーのデイヴロンバードの上手さである。 

 とにかく正確無比なのだ。

 こういった美辞麗句は、DREAM THEATERのような技巧派バンドにこそ形容に値するような印象を与えかねないが、そんなことはないと思う。 

 否、SLAYERのようなバンドでこそこういう美辞麗句が似合う!

 蛇足ながら、デイヴロンバード90年度BURRN!』ドラマー部門の人気投票で見事チャンピオンになってのけたのである。

彼らのライヴに足を運んだファンが、その良さをじっくり堪能し、彼に投票したのだろう。

 それもこのイベントに参加して聴いた私としては充分に頷けた。

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 前回参加した時は、2日間にわたるイベントに参加し、1日目はヘッドライナーのJUDAS PRIESTBRITISH STEELアルバム完全再現を宣言してそれを敢行したが、2日目のヘッドライナーであるSLAYERもどれかのアルバムの完全再現をしてくれるのでは、という期待があったがそれはなされなかった。 

 今回もそうであった。残念ではあるが…。 

 SLAYERの楽曲の魅力はやはり勢いにある!

そのスピードがりながらも、そこに含まれるメロの良さが聴き手をぐっと惹きつけて離さないのだ。

 ただ、難点を言えば、その勢いに任せすぎて楽曲に雑さを感じさせるようなところがあるのはやはり否めない。

そういった場面にも今回のステージでもみえ、その時には、集中力が低下してしまうのだ。

 しかし、 ”Rainig Blood”Hell Awaitsなど、ドラマティックで且重圧感がもの凄い曲では、どうしても男としての魂が燃やされざるを得ないのだ!

 こういった曲がSLAYERの最大の魅力ですらある。

 こういった曲に準ずる曲をこれから書いて制作してもらいたいものである。

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 3度目のヘッドライナーということもあり、観客の方も、もの凄い歓待!というわけではなかったのが正直である。

 先にも書いたように、今回のイベントで一番客がメインアリーナに入り、サークルモッシュが出来たのはDRAGONFORCEの時である。SLAYERの時ではなかった。

だからと言って、今回のメインアクターはDRAGONFORCEであったなどという短絡的な結論を出すわけにはいかない。

 ならば、SLAYERにとって代わってDRAGONFORCEが次年のLOUD PARKのヘッドライナーになれるかといったらどうかはわからない。

 次のアルバムで初登場全米1位でもとれば話しは別だが…。 

 SLAYERの時に、こういったイベントでメインアクターをつとめれるのは、これまで長年にわたり、人気とファンを獲得し、その楽曲の魅力をいろんな媒体(口コミ、雑誌、ラジオ、テレビ等)で語られ、伝説化してきたからだと、彼らのおドロしい楽曲を堪能しながら体感したものである。 

 その伝説化は一朝一夕に出来上がるものではない。

10年以上の長きにわたってなされなくては… 

 それを遂行してきた彼らの精神力や体力には正直感服せざるを得なかったのである。 

 しかし、次はどんなアルバムを作り、ライヴを堪能させてくれるのか楽しみですらある。

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 話題は変換するが、今、韓流とかK-POPという文字を見るだけで、心躍る日本の少年や少女は100万人以上いるだろう。

それは、今そういったものが時代の主流になっていて、多くのファンをつかんでいるからにほかならない。 

 『a-nationという日本で夏おこなわれるポップのいろんなアーティストが集うイベントで、韓国のSUPER JUNIORが参加し、その公演時の観客の熱狂ぶり熱唱ぶりにはとことん凄いな!という感情を抑えきれなかった。

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      SUPER JUNIOR

 たどたどしい日本語の発音で、聴いていると、必ず「これは韓流アーティストの人が歌っている」というのがすぐにわかる。

 ちょっと電子的な発音といったら良いだろうか。 

 そういうマイナス面をおぎなってあまりある魅力があるからこそ、これほどまでの韓流ブームなのだろうと思う。 

 彼らのセクシーなルックス、スムージーな振り付けやダンシング…非常に目が奪われる代物であった。

 私は、10代の人間ではないし、ハードロックにゾッコンなので正直こういった韓流ブームには興味ないし、これらにのめり込んでいる時間がないから、CDも買わないし、聴かない。

 でも、そのファン達には大いに声援を送りたい。

 しかし、そのブームもそれほど長くは続かないだろう。

 これは決して、自分が愛するハードロックやへヴィメタルが下火になってしまった事の嫉妬で書いているわけではない。

 冷静に人間社会の歴史を俯瞰して、 「どんなブームも必ず終焉を迎える」という事実を書いているだけである。

 自分の好きなアーティストが凋落し、違うアーティストが流行りだすと、嫉妬して、そのアーティストをこき下ろしたりしていた時期があったが、それは遠い20年以上も前の話しである。 

 韓流、K-POPは今がまさに旬の時期なのだろうと思う。 

 そういったブームの最世期には不思議ともの凄く良いマテリアルが生まれるものである。

 しかし、そのブームが過ぎ去ると、どうしてか良いマテリアルが生まれなくない、生まれても少数…という悲しい時期がどうしても来てしまうのである。

 ハードロックやへヴィメタルもそういった栄枯盛衰の歴史を経験してきたのである。

 K-POPのファンにとって、今そういうアーティストのマテリアルは最高級のものであると思うが、これから先、そういう最高級のモノを永遠につくりあげていくことは不可能であることは間違いない。

 ハードロックやへヴィメタルのように、いつしか、単独公演が不可能になり、いろんな同領域のアーティストが多数集まってするイベントでなければ、コンサートを敢行出来なくなる、という事態がいつしか来るのは間違いない。

 このLOUD PARKのように。

loupaa 


 LOUD PARKを観て思ったのは、「自分にはこの音楽しかない!」ということである。

 どのアーティストも単独公演が難しい、それが出来るのは一握りのアーティストだけ、日本の演奏もあまり出来ないのにドームやスーパーアリーナで公演しているバンドがブームになっている、K-POPがもの凄いブームになっている…こういう事態になっても、私がハードロックやへヴィメタルをこよなく愛していくことに何ら心理的影響はなかったし、逆にその心が強化されたといっても良いだろう。

 さて2013年はどういったアーティストが一同に会し、『LOUD PARK』を開催してくれるのか、今から楽しみだ!


LOUD PARK 2012』のライヴリポートが収められているのはコチラの雑誌!
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BURRN! (バーン) 2013年 01月号



LOUD PARK 2012』に出演した全バンドの全レビューと全アルバムのレビューを収めたモノはコチラ!
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METALLION(メタリオン) vol.43 2012年 11月号


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コメント
コメント
Sonata Arcticaの写真がIn Flamesの写真になっております!
2013/06/17(月) 01:45:09 | URL | #- [ 編集 ]
ありがとうございました!
指摘いただき誠にありがとうございます。

画像をSONATA ARCTICAに直しておきましたので確認してくださいませ。

また私のブログに訪問して、コメントを書いてくれれば幸いです。

これからもよろしくお願いします。
2013/06/30(日) 23:30:00 | URL | テヅロック #- [ 編集 ]
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