HR/HM温故知故
かつて一世を風靡したHR/HMについて、私の個人的な思いいれ、独自な見方、ニッチな情報、そして映像を提示していきます
難攻不落だったアメリカンチャート28位にまでいったLACUNA COILの『KARMA CODE』
Karmacode.jpg


私がハードロックにのめりこんだ80年代後半から90年代の半ばには、非英語圏のアーティストがアメリカ進出を狙っていろんなバンドが、英語で歌詞を歌った曲のアルバムを出していたが、なかなかどうしてか難しく、アメリカでは売れることはなかった。

しかし、その事態を完全に打開するバンドが現れた。

フィンランド出身のHIMである。

HIM.jpg
  HIM

2005年に出た、このバンドのアルバムDARK LIGHTがアメリカンチャートで18位にまで上昇する快挙を成し遂げ、そのアルバムは最終的にアメリカゴールドディスクを獲得し、フィンランドのバンドとしては初の快挙だったのだ。

そのDARK LIGHTについての詳細は以下を読んでいただきたい。
  ↓
http://blog.livedoor.jp/hairhusa/archives/51298085.html


そのバンドのジャンルは、「ゴシックメタル」と形容されるのであった。

ゴシックメタルとは、「冷たく暗い石つくりのゴシック建築に漂う禍々しいムードと、凍てつく冷気を彷彿とさせるムード」を擁する音楽のようだ。

HIMのデビュー当初は、非常にこの形容が当てはまる音楽を体現していた。

しかし、いつまでもバンドの初期の音楽だけを維持していることは、どのアーティストにもなく、HIMもそれに例外なく、昔の音楽や同時代の音楽の要素を取り入れながら、変化してきた。

でも今のバンドにもそういうメロなどの要素があることは確かだ。

今でこそ、非英語圏のアーティストが、難攻不落のアメリカンチャートを席捲するのは珍しくなくなった。

HIMと同じフィンランドCHILDREN OF BODOMをはじめ、 IN FLAMES、WITHIN TEMPTATION,ARCH ENEMY,AMARANTHE,NIGHTWISHなどもアメリカンチャートを昇ったのである。

私がハードロックにのめりこんだ時期には、SCORPIONSEUROPE以外非英語圏のバンドは絶対に無理だ!」と思っていたころからは信じれない事態が発生しているのは確かだ。

そういう快挙を2番目に成し遂げたバンドとして今回はLACUNA COILKARMA CODEを紹介したい。


grupshot
  LACUNA COIL

DARK LIGHTが出た次の年にこのアルバムは出され、アメリカンチャート28位にまで上昇するのである。

この事実をテレビで知った時に、私は「え~ッ!!」と声を出して驚いてしまったのである。

HIMの次に立て続けにこういう偉業を成し遂げたバンドにやはり注目せざるを得なかったのである。

HIMが好きになり、HIMと同じゴシックメタルのバンドとあればやはり注目をし、そして買って聴いたのである。

ショはなの“Fragil”のギターリフは、90年代のヘヴィロックのようないい意味での荒々しさを持っており、特徴がなさそうに思えてしまうが、民族民謡のような掛け声のコーラスが入り、それがこのバンドの音楽を特徴づけている。


●“Fragil
 ↓



https://www.youtube.com/watch?v=JbLXgHKUHGg


このバンドは、イタリア出身だがイスラムによる占領を受けていた地域出身ということであるが、こういう特徴があるのも、それが影響しているからだろう。

そして、ほのかに暗くせつないドラマティックなSEが挿入されることで、聴き手の心を飲み込んでいく。

その作曲能力とプロデュースは非常にレベルが高い。

そしてこのバンドは2人のヴォーカリストがいる。

しかも男性と女性1人ずつである。

lacunasinger

2人のヴォーカリストを擁するバンドはなぜか南欧や北欧出身のバンドによくある…よくわからないが、こういった国ではオペラが国民的ミュージックになっているからして、その影響で、他のは1人のヴォーカリストが普通ではあるが、その魅力が分かっているこのバンドもやはり1人では満足できなかったのだろう。

ヘヴィで、しかもベースが前面に出ているからして、非常にグルーヴ感のある曲に仕上がっている“To The Edge”は、クリスティーナスカビアの牽引する力強いヴォーカルがさらにグルーヴ感を増している。

rockopera

広大な山の麓からその先にある大海原を上から見渡しているような気分にさせるSEの挿入にこのバンドの作曲能力の高さをうかがわせる。

音楽性は、他のバンドと比べて奇異すぎると引かれてしまうが、このバンドの場合思わず引き入れられてしまう品位がある。

これで多くのファンになった人が多くいたのも、この2曲だけでわかる。

その思いがさらに強くなるのは次の曲を聴いたらわかるであろう。

そうシングルになった“Our Truth”である。


●“Our Truth”
  ↓



https://www.youtube.com/watch?v=XCxFTh-XDy8


このバンドのパッションが直截に脳天に迫ってくる感じである。

冷厳な雰囲気のSEをオペラチックに巧みに取り入れて、交えて綺麗に曲を統率している。

非常に巧みな技だ。

そしてどの楽器も上手い!

coiil


11曲目の“The Game”もそんな感じである。

イタリア出身のバンドでこんな思いにさせてくれるとは…これも予想不可の事態だった。


●“Within Me
  ↓



https://www.youtube.com/watch?v=o7IqqrSjM4I


次の“Within Me”は暗くせつないバラードである。

そのエモーショナルぶりに体幹が折れて、聴き入って頭の中が空白になってしまう。

あまりに感動的なので。

90年代の中盤に多くの北欧出身のバンドが出てきては聴けずに私はCDを売った。

やはり英語を母国語ではない人が歌うので、どうしてもエモーションが感じれないのだ。

そして時間がむなしく去ってしまう…。

しかしこのLACUNA COILは全然そういうバンドと一線を画す。

まるで英語を生れてから使ってきたように巧みに操る…すごい能力だ。

lacunahou

聴いた後に、この“Within Me”のメロディが私の脳内を支配してしまうのだ。

そんな魅力と感動を次の“Devoted”が引き継ぐ。

そして次の“You Create”が素晴らしき世界にいざなう。

燦々と降り注ぐ太陽の下に、色とりどりの花を咲かせた森林の中にきて、その気分がそのまま上空に上昇する…そんな気分にさせるようなオープニングなのだ。

これは凡人には創造できない音楽だ。

それがこういうヘヴィメタルと融和して調和しているから驚き外何物でもない!

男女2人のヴォーカリストを擁するバンドの特長は、やはり聴く緊張感が途絶えないし、色彩を曲に与えるということであろう。

“What I See”“Fragments Of Faith”はそのことを確認できる曲である。

しかし奇異でありながら、心奪われるリフやフレーズや曲展開を垣間見るにこのバンドの天才性に感嘆しないわけにはいかない。


“In Visible Light”もまた感嘆しないわけにいかない名曲である。

ozzfestdokiya
OZZFEST』参戦時

重く暗めのロングトーンのリフがこの曲におおわれているが、それでも思わず忌避したくなるような陰鬱さが全くないのだ。

昨年のLOUD PARKにおいてデスメタルバンドが多く参戦して、それを観ていた私はどうしてもファンになることができずにいた。

そういう重いデスのリフが私には快適ゾーンではなかったからだ。

しかしこの“In Visible Light”のリフはそうならずにいてそれが快適ゾーンになっているのである。

そのレベルというか調合が見事なのだ。

壮大さのあるSEとミックスされていて。

私はデスは興味あるしいくつかCDも所有しているが毎日は聴こうとは思わないのだ(笑)。

最後は、飛躍的な壮大さをもった“Enjoy The Silenceで締めくくる。

ドラマティックな映画のエンディングにピッタりのスピーディな曲である。

謎めいた奥行きの深さのある曲である。


●“Enjoy The Silence”
  ↓



https://www.youtube.com/watch?v=Lx58hXh4pVA


非常に緻密な音楽であり、わずか13曲収録であるにもかかわらず30曲分の魅力を詰めたようなアルバムに感じるのである。

その魅力を堪能するためには、やはり何百回も聴かなくては…という気分になって当然であろう。

しかし昨今では、こと「メタル」というカテゴリー内でも無数のアーティストによる無数のアルバム
が存在しているので、70年代80年代のようにそれほど注目されずに終わってしまう。

ものすごい魅力を擁していても…残念ながらそれが現実である。

よしんばそういうアルバムが出ても、新しい月になると、いろんなバンドのニューアルバムの話題がとってかわってしまう。

ニューアルバムが悪いとは言わないが、そういう面があるということを忘れないでほしいのである。

このアルバムが、全米チャートの上位に行ったことも手伝って、OZZFESTにも参戦し、そして日本のLOUD PARKにも参戦した。

loud park 07


このとき私はLOUD PARKに威厳を感じていなかったのでいかなかったが、このアルバムを熟聴してその良さが分かってからは、LOUD PARKに行かなかったことを非常に後悔することになった。

次は単独であろうがフェス参戦であろうが必ず行くつもりである。


この全米チャート28位にまで上昇したKARMA CODEはコチラ!
  ↓



カーマコード

beautygun


“Within Me”のシングルはコチラ

未発表曲アコースティックヴァージョン6曲のライヴが収録!




“Enjoy The Silence”はコチラ
未発表曲も収録!






“Our Truth”のシングルはコチラ!
  ↓


Our Truth (2 track maxi )

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