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スティールハートの『TANGLED IN REINS』について考える
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  STEELHEARTといえば、90年にアメリカのコネチカット州からデビューした5人組のバンドである。

 デビュー前、彼らのアルバムのレビューでは、どのメタル雑誌でも「超大型新人登場」だの、 「声、曲作り、音作りどれも素晴らしい」といった感じで、賞賛の声しか上がっていなかったのを憶えている。

 それらを見て、「これは買わずにいられない!」と思い、私は期待に胸を膨らませていた。

 そして、その期待を大幅に上回る超最高の出来で、20年近く経った今でも愛聴している。

 そんな優れたアルバムなのである。

 このデビューアルバムは、結果的に全米で100万枚のセールを挙げ、見事プラチナムを獲得するのである。

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マイケルマティアヴィッチ

 STEELHEARTのよさは、なんといってもヴォーカリスト兼リーダーである、マイケルマティアヴィッチのハイト-ン、いや超ハイトーンの声と作曲能力と音作り能力にあると言ってよい。

まずこのバンドのレコードを聴いて、その声のすごさに誰もが驚くはずだ。

どんなへヴィな音にも力負けない強い声に加えて声域の広さ、超ハイトーンの声、高いキーではどこまでも聴き手を高揚させ、バラードではソウルフルかつソウルフルで聴き手に涙を誘う、これほどまでに、聴き手の心を鷲摑みにさせるヴォーカリストはさがしてもなかなかいるものではない。

その声に、これまた稀な才能を魅せるギターのテクニックが心の高揚に拍車を掛ける。

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デビューアルバム

 要するに、スピーディ、スロー、バラード何をとっても非の打ち所がない、そんな凄いデビューアルバムをSTEELHEARTは出したのだ。

「100万枚?そんなんじゃ足りないっしょ。500万枚売れてもおかしくないよ、このアルバムは!」

私はそう思った。

そう思ったのは私だけではないはずである。

デビュー当初は、まだ、新人であるからして、認知度が低かったのかもしれない。

ただ、こんな優れたデビューアルバムをだせば、次のセカンドアルバムには否が応でも期待が高まるのは、当然の帰結である。

tangled in reins 
セカンドアルバム

 しかし、期待のセカンドはキッズの期待に応えられるものではなかった。

 ヴォーカル兼リーダーのマイケル

「誰でも予想できるものは作りたくはなかった」

と某雑誌でコメントしている。

 急激なイメージチェンジ…それが功を奏する場合、奏しない場合両方あるが、STEELHEARTの場合は明らかに上手くいかなかったようだ。

 デビュー作をホントに何回も聴いた私からすれば、92年に出されたセカンドは明らかに失敗だった。

 時あたかもグランジ、オルタナが隆盛を誇った時代とも思えない。

 まだその前段階だったのだ。

 STEELHEARTのようなハードロック勢がまだまだチャートをにぎわすことが充分可能であったことは間違いない。

 ファーストの出来を今一度俯瞰すれば、マイクの声のメロディにへヴィなリフを乗せ叩き込む、そしてキャッチーなギターのソロを盛り込む、それがファーストのアルバムのスピーディな曲でもスローな曲でもやって上手くいった成功法則である。

 しかし、彼らはあえてそうしなかった。

 理由はわからないが、それが失敗であったことは、セカンドの楽曲の出来を見れば明らかだ。

 マイクの声はあいかわらず健在だし、ギターもベースもドラムも良い仕事をしているのは間違いない。

 しかし、ファーストアルバムでとった手法をとらずに、あえて違う方法が楽曲の低下を招いたのは否定できない。

 意図的に変えたというセカンドは小気味良いロックンロールの曲がアルバムの大半を占めているが、印象的でキャッチーなリフがすくないのだ。


●”Mama, Don’t You Cry
  ↓



https://www.youtube.com/watch?v=nFvmTUUGiek


 この曲がファーストシングルになったバラードである。

 バラード…このことでまず期待したのは、デビュー作に収められている名バラードの”She’s Gone””I’ll Never Let You Go”のような名バラードの再来である。

 しかし、このシングルはそれほどの話題も呼ばなかったからして、2者のような感動を聴き手に及ぼさなかったのだろうと思う。

 しかし、マイケルの驚異的なヴォイスは健在だし、ピアノのイントロの繊細さはなかなかの感動を及ぼさないだろうか?

 聴き手の関心を喚起するためには、どうしても強烈な音が不可欠だろう。

 それに、そのヘヴィは音に抗す、打ち負けない驚異的なヴォイスがあればなおの事、喚起を起こす。

 そんな手法が”She’s Gone”や”I’ll Never Let You Go”にはとられていたが、今回のバラードではなされなかった。

 この2者のようなヒットにはならなかったが、良きバラードであることに違いはない。

●”Loaded Mutha”
  



http://www.youtube.com/watch?v=AyslCAku2J0


 この曲がアルバムのしょハナを飾る曲である。

 音の厚みではファーストアルバムに劣るが、こういうロックンロール色の強い曲はファーストにはなかった。

 ヘヴィなリフで押しまくる楽曲の魅力に魅せられたファンは、ちょっと戸惑ったのは間違いない。

 フレーズのそこかしこにSTEELHEART節が散見されるし、なかなかの良い曲であることに違いはない。

 ギターも腕において健在でもある。

●”Sticky Side Up
  ↓



http://www.youtube.com/watch?v=reLEmg0_3Zo


 いい曲であると思う。

 ホップ色の強いアップテンポの曲だし、ファンキーなフレーズがそれなりに聴き手の心を喚起する!

 こういった曲もファーストにはなかったマテリアルである。

 意図的に、このアルバムをファーストと違うようにしたと、マイケルはインタビューで語っていたが、裏を返せば彼の音楽性の幅の広さがうかがえるというものである。

 私が、バンドのリーダー兼メインソングライターなら、前作がヒットしたなら、その音楽性を踏襲したことは間違いない。

 いや、そんな幅広い作曲の幅を自分は持ち合わせることは不可能なのだ。

 ゲームセンターにある格闘技ゲームでは、いろんなキャラクターを選べるものがあるが、私は1つしか選べない。

 それしかできないからだ。

 空手家、プロレスラー、ヨガファイター、ボクサー、力士といろいろ選べる格闘技ゲームがあっても、私は依然として1つしか選べないのである。

 それしかできないから(笑)

 私が作曲の能力があったら、おそらく同じような曲しか作れないだろう。

 そんな幅広く器用なことは出来ないからである。

 しかし、このバンドのリーダー兼メインソングライターであるマイケルマティアヴィッチは1つの音楽性に拘らず、幅広い音楽性を持ち合わせている。


●”All Your Love
  ↓



http://www.youtube.com/watch?v=KOAouJBsZFw


 今作でも、2つのバラードが収められた。

 ファーストの”She’s Gone”や”I’ll Never Let You Go”ほどの感動は呼ばないが…。

 ちょっとだが散漫な印象が出てしまう。

 曲の最初から最後まで緊張感が途切れることなく続くような力には不足している。

 しかし、ここでも気が付くのは、マイケルのヴォイスの素晴らしさである。

 スピーディな曲でもスローでもバラードでも楽曲の良さを大幅に引き上げるその能力はかなりの逸材さがわかる。



 一度、このアルバム全体を俯瞰すると“Sticky Side Up””Steelheart”といったスピーディなロックナンバーは気持ち良いし、“Electric Love Child”のようなスローナンバーも良い。

 しかし、また聴きたいという気にはファーストアルバムの時のようにはなれない。

 ”Mama Don’t You Cry””All Your Love “の2曲のバラードも良く出来ているが、デビュー作の”She’s Gone””I’ll Never Let You Go”には及ばない。

 何故か、彼らの武器であるマイクの声にギターの重いリフをのせて、ドラムとベースを叩き込む」という手法を捨ててしまったがために、楽曲の質をさげてしまったのである。

 やはりその手法を踏襲をすべきだったのだし、ファーストで彼らのファンもそれを望んでいたに違いない。

 ファーストの出来のよさでファンになった人は、大いに期待してセカンドアルバムを買い、発売と同時にチャートの上位に食い込むが、瞬く間に転がり落ちたのを私は覚えている。

 やはり、ファンがもっと大勢できる期を見てから、イメージチェンジをはかるべきであったのかも知れない。

 生兵法は怪我のもとなのだ!

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 とはいったものの、全体的な楽曲の高さはなかなかのモノだと思う。

 ファーストアルバムが良かったがために、いや良すぎたために、その音楽性の踏襲を誰もが期待したのだ。

 しかし、そんなファンの思いをよそに、自分たちが、いやマイケルのモチベーションは、 「誰もが予想できるような出来にはしたくなかった」というインタビューの内容の通り、意図的なイメージチェンジをしてしまったのだ。

 しかし、ファーストアルバムが良すぎたために、それと比較してどうのこうのと意見を思い並べてしまったがために、それほどよくないイメージがつきまとってしまったのではないだろうか、そんな気がしてならないのである。

 ファーストを聴いたことがない人が、いきなりこのセカンドアルバムを聴いたら、「結構いいかも!」という意見をしたに違いない。

 そして、 「次のこのバンドのニューアルバム買おう!」とも思っただろう。


 そのニューアルバムが、ファーストのような超良好なアルバムであったら、100万枚どころか、その倍くらいは優に売れていたに違いない。

 デビュー戦で、かなりいい成績かチャンピオンになってしまった人が、次の試合でそれ相応の戦績を残せなかったがために、マスコミでたたかれ、それに耐えれなくなって、辞めてしまう…そんな例はスポーツや格闘技ではたくさんある。

 それとこのSTEELHEARTの例は同じようなものではないだろうか?

steel.jpg tangled in reins

 そうでないかどうかは、まず出来が良すぎたファーストアルバムのことは一切忘れて虚心坦懐にこのセカンドアルバムを聴いてほしい。

 そして、シミュレーションをしてほしい。

 これを先に聴いて、次にファーストアルバムを聴いたら、どんな感想を抱くか?

 このセカンドアルバムは、かなりいい線いくのではないだろうか?

 そんな気がするのである。

 しかし、そういったことをするのは、かなりこのバンドに思い入れがないと難しい!

 そんなことするには、時間がないといけないし、他のこのアルバムを凌駕する良好なアルバムはいくらでも存在するし、ハードロックのアルバムは毎月数十枚も発売されている。

 それを差し置いて、私が今書いたようなことを実行するには、かなりこのバンドに思いいればないとできた話ではない。

 でも、ハードロックにかなりの思い入れがあり、出会いを大切にしたい人は、是非とも実行してみてほしいものである。

 やはり私がこういった小賢しいことを書いても難しいものである。

 ファーストアルバムが全米40位を記録したにも関わらず、今作は144位どまり…しかも、来日公演はこの時は無しで終わってしまった。

 やはりファーストの踏襲をすべきであったのだろう。

 でも、それなりにいいアルバムであることは言うを待たない。


●上記4曲を収めたSTEELHEARTのセカンドは以下から!
  ↓



Tangled in Reins


bikyak.jpg


STEELHEARTの魅力を万遍なく堪能できます!💛」



・ファーストからサードまでのクリップ、ライヴ、アコースティックライヴを収めた2枚組のDVDは此れ!
  ↓



STEELHEART DVD

<参考関連記事>

⇒誰だ、この脅威の新人バンドは!?=STELHEARTのデビューアルバム『STELHEART』

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